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Cute Movies

蟲師

監督:監督:大友克洋

「蟲師」ギンコは蟲を引き寄せる特異体質のため、果てしない旅を続けている。
配給:東芝エンタテインメント
公開:3月全国ロードショー
(c)2006『蟲師』フィルムプロジェクト
蟲に取り憑かれた家に生まれた淡幽は、蟲に身体を侵食されながらも、これまで文字でその力を封じてきた。
配給:東芝エンタテインメント
公開:3月全国ロードショー
(c)2006『蟲師』フィルムプロジェクト
『蟲師』ジャパンプレミア試写会&マスコミ記者会見の様子

 100年前、日本には「蟲」と呼ばれる妖しき生き物がいた。それは精霊でも幽霊でも物の怪でもない、生命そのものであり、時に人間にとりつき、不可解な自然現象を引き起こす。蟲の命の源をさぐりながら、謎を紐解き、人々を癒す能力を持つ者は"蟲師"と呼ばれた。

 そんな蟲師のひとり、ギンコは、蟲を引き寄せる特異体質のため、果てしない旅を続けている。彼は、旅先の宿で角がはえた少女を癒し、さらに文字で蟲を封じる美しい娘、淡幽に会うため、彼女の屋敷を訪ねる。だが、ある事件をきっかけに、ギンコ自身が蟲に冒されてしまう……。蟲に憑かれたギンコの運命は?生と死の間をさまよう彼の意外な秘密が今解き明かされる。


◆『蟲師』ジャパンプレミア試写会&マスコミ記者会見◆


日時:3月12日(月) 午後4時より 八芳園にて

出席者:大友克洋監督、オダギリジョー、大森南朋、蒼井優、小椋悟プロデューサー

【記者会見】

大友監督へのの質問
「今回の作品はアニメーションではなく実写ですが、実写でのこだわりは何ですか?」

コメント:
原作コミックは出版された当時から読んでいて、自分にない感覚を持っている作品だと思います。原作の持つ不思議さを実写で表現したいと思いました。
舞台が百年前の日本なので、昔の自然が残っている場所を中心に探しました。い
いろな場所にロケハンに行きましたが、朱雀池が見つかったときは「これで撮影に入れる!」と思いました。

オダギリジョーさんへの質問
「蟲師」とは、どんな存在なんでしょうか?
コメント:一言では説明できない、非常に感覚的な職業、存在だと思います。
魅力のある原作なので、原作通りのイメージを壊さないように、かつ縛られすぎないように演じました。

大森南朋さんへの質問「以前から大友監督のファンだそうですが、一緒に仕事をしてみていかがでしたか?また、撮影中に印象的だったことは何ですか?」

コメント:
監督はパワー、存在感のある方です。印象的だったのは、転ぶシーンです。何回もやったので傷だらけになりました。思い出深いシーンです。

蒼井優さんへの質問「着物での撮影で苦労したことはありましたか?」
コメント:
着物で演技するのは初めてでしたが、完成した作品を観て、まだ未熟だなと思いました。着物を着たままお風呂につかるシーンがあるのですが、何回もやり直しました。濡れた着物を乾かして、撮影して、また乾かしての繰り返しだったので、そこが大変でした。

小椋プロデューサーへの質問「ベネチア国際映画祭など、海外での反応はどうですか?」
コメント:反応は非常に良いです。24カ国以上からオファーがきています。日本から世界へ向けて発信していきたいです。


皆さんに質問「海外で公開されることについて、どう思いますか?」

オダギリさん:世界に求められる作品に関わる事ができて良かったです。

大森さん:みんなでつくった作品を、多くの人に観てもらえるのは良いことだと思います。

蒼井さん:私は日本映画が好きなので、海外の方に日本映画の存在を知ってもらえて嬉しいです。この作品に関われて光栄です。


記者からの質問
「ご自身が演じられた役のどこに惹かれましたか?また、監督の演技指導は?」

オダギリさん:蟲は自然と同じで人間の力ではどうにもできない。僕が演じたギンコは、蟲を退治するのではなく、あるがまま受け入れるんです。その受け入れ方、おさめる姿勢に共感しました。演技は、芝居の間をゆっくりとる、セリフのタイミングを遅らせるなど、時間的なことを言われました。

大森さん:虹郎は一番人間味のある、地に足のついた役だと思います。演技指導は特にありませんでした。やりすぎは止めてもらいつつ、自由にやらせてもらいました。

蒼井さん:私が演じた淡幽は一つの所にしかいられない。そして、ギンコは一つの所にはいられない。この言葉に常に頭のなかにありました。淡幽の内面を映し出せたらいいなと思います。演技は、セリフをゆっくりめに言うという以外は、特に細かい演出はありませんでした。事前に画コンテをもらうのですが、この監督の画コンテが作品の頼もしい地図でした。


「ロケ地はどうでしたか?ハプニングはありましたか?」

オダギリさん:百年前の日本という舞台なので、電線・電柱のない場所でやりました。まず撮影場所に行くのが大変でした。1時間くらい山を登ったり、機材をヘリコプターで運んだりしていました。行くのに苦労しましたが、家族が毎日ピクニックに行ってる、そんな感じでした 。撮影当時は大変でしたが、今ではいい思い出です。

大森さん:天候に左右されました。朝にならないと撮影ができるか分からない、ということがありました。
蒼井さん:私はお二人に比べて難易度の低いロケ地だったので、そんなに大変ではありませんでした。周りは自然があって、待ち時間も気持ちよく過ごせました。私はラッキーでした。


記者から、大友監督への質問「それぞれの役者さんについての印象は?」

大友監督:皆さん、登場人物のイメージそのものです。キャスティングは少し悩んだのですが、決定した時点でこれでこの作品は大丈夫だと思いました。


「アニメーションと実写の表現方法の違いなどをお聞かせください。」

大友監督:アニメーションは絵で描く、そこが面白いところです。 実写では、この蟲師の世界観が成立するのか不安でした。そのため、百年前の日本を探しにロケハンはたくさんの場所に行きました。朱雀池をはじめ、まだ百年前の日本が残されていたので、いけるだろうと思いました。アニメーションと実写の差ですが、役者さんの力を借りる、頼るという点で大きく違うと思います。


「一言、メッセージをお願いします。」

小椋プロデューサー:魅力的な作品です。ぜひ観に来てください。

オダギリさん:撮影したのは2年前で、日本の四季をおさめていて、大変きれいで迫力があります。僕はこの作品での音楽の使い方が好きなので、環境のいい所で観てほしいです。大きなスクリーンが似合う作品ですので、DVD化を待たずに、ぜひ映画館で観てください。

大森さん:あまり今までの日本映画にはない雰囲気をもった作品だと思います。すごく不思議な映画です。海外からの反応も楽しみです。

蒼井さん:一度目ですべて理解しようとするのではなく、リラックスして蟲師の世界を観てほしいです。一度目で分からなくても、気に入っていただけたら何度も観てもらって、だんだんこの世界に足を踏み入れてもらえれば、と思います。

大友監督:やっと観てもらえるので、少し緊張しています。よろしくお願いします。
text by...  サザンカ

2007/03/19