【「セカチュー」「イマアイ」そしてこれが噂の「ソノカレ」だ！！】

　お転婆な花梨、水草の大好きな智史、絵を描くのが大好きな佑司。3人の小学生は小さな湖沼で巡り会い、湖畔の近くに廃棄されていたバスを秘密基地にして遊んでいた。3人は将来の夢について語り合う。智史は水草屋さん、佑司は絵描きになること、そして花梨は絵のモデルさんと、水草屋の看板娘。

　13年後、智史（山田孝之）はアクアプランツ（水草）店を経営していた。その店に突然スーパーモデルの森川鈴音（長澤まさみ）が転がり込む。違和感を抱きながらも智史は鈴音を店員として雇うが、何故か鈴音には懐かしさのようなものを感じる。それもそのはず、鈴音は幼なじみの花梨だった……。

　映画は今の彼らと幼い頃の彼らの時間を丁寧に紡ぎながら、佑司との運命的な再会、そして後半、花梨が隠し通してきたある秘密を描いていく。

　とにかくキャストが素晴らしい。まずはヒロインを演じる長澤まさみの“華”に脱帽！　ピュアで内気で繊細な青年を演じさせたら世界一の山田孝之もいい！　そして智史の父を演じる小日向文世の抑制の利いた演技に感服。その暖かいまなざしに涙が溢れた。


text by...  茶柱達蔵

2007/06/05