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Cute Movies

傷だらけの男たち

監督:アンドリュー・ラウ、アラン・マック

(c)2006 Media Asia Films (BVI) Ltd. All Rights Reserved.
7月7日(土)日比谷みゆき座他全国ロードショー
(c)2006 Media Asia Films (BVI) Ltd. All Rights Reserved.
7月7日(土)日比谷みゆき座他全国ロードショー
トニー・レオンと金城武、実はこれが初共演!(注:「恋する惑星」で共に出演しているものの、同じシーンでの登場はなし)

【ストーリー】
2003年の香港。クリスマスの夜にもかかわらず、張り込みに精を出している刑事のポン(金城武)と、ポンの上司であると同時によき理解者でもあるヘイ(トニー・レオン)。事件は解決を見るものの、その裏で運命の歯車は静かに動き出していた……

【タイトルどおり“傷だらけ”の男たち】
サスペンスの要素はもちろんあるが、人間ドラマが主であるこの物語。
ベテラン演技派トニー・レオンも、若手個性派の金城武も、一様に傷つき、悩み、苦しんでいる。
これまで香港映画というと派手なアクションやドタバタコメディに代表される“動”のイメージが色濃かったが(実はそれだけでは決してないのだけれど)、ヒーローも道化役も登場しないこの作品では、じっくりと“静”の空気を味わうことができるだろう。

【トニー・レオンの語らぬ演技】
抑えに抑えた感情表現でじわりじわりと余韻がやってくる。彼の演技を魅せるための脚本とさえ言えるほどに。
鑑賞後、「もっと他の作品も、もっと他の表情も見てみたい」と思わされ、レンタルビデオ店へ走ること必至。
カンヌ映画祭で最優秀男優主演賞(「花様年華」)を受賞した実力をとくとご覧あれ。

【スクリーンでこそ映える男 金城武】
日本のテレビドラマにも出演しアイドル的印象の強い金城武だが劇場で見てみると映画俳優としての華に恵まれた才能であることに気付かされる。
自暴自棄になり飲んだくれるシーンでさえ、健康的なオーラを放つ。トニー・レオンが役になり切るカメレオン役者だとするならば金城武はむしろ、どんな役であっても金城武であり、どこか透明感を感じさせる。今年で34歳を迎える国際派、今後どう成長していくのか楽しみだ。

【香港アカデミー賞 多数ノミネートの実力】
2007年の香港アカデミー賞で、歴史大作やベテラン監督作をおさえて見事、最優秀撮影賞を受賞。その他、衣装デザイン、美術指導、編集、音楽など多方面でノミネートを獲得。
「インファナル・アフェア」シリーズの持つクールな映像美と音楽は健在だ。

何かとイベントごとの多いこの季節。夏のハイテンションに疲れたら涼しい映画館の座席に身を沈め、哀しくも美しい絵巻物を眺めるように鑑賞したい。
text by...  こうだ真紀

2007/07/05