全てにおいて「伝説」の映画なのだ！
とにかく予告編が凄い！最近のアメリカ映画の中で群を抜く予告編だった。

一人の男（Ｗスミス）が廃墟と化したＮＹの街をスポーツカーで走り抜ける。
どうやらワケありで人類は全て滅亡！？この男だけが世の中で生き残った一人の男なのだ！脇にはジャーマンシェパード。ＡＭ波で自分の存在を発信しつづけるが、やはり人類の生き残りはこ奴一人！人類は何故？滅んだ？何故この男一人に？

圧倒的な迫力で一気にその映画の内容を見せつけてくれた予告だった。とにかく見たい！その気にさせる予告だ。まず予告が「リジェンド」だ。
で？映画の本編はどうなのか？というと……。とにかくＷスミスが100％でずっぱり（そりゃそうだ。なんせ彼の他は誰もいないんだからねえ……）ＮＹの街を奔走するＷスミスのワンマンショーだ！でもってエクササイズで鍛えたＷスミスの身体がこれまた「レジェンド」！すごい腹筋を披露してくれる。

「MIB」「バッドボーイズ」などアクションに定評のあるＷスミスのこと、もっとド派手なエンターテイメントが展開されるのかなと思っていたら……。いやいやその実体はかなりハードな文明批判。原作は「激突！」や「ヘルハウス」など抜群のストーリーテリングで知られるリチャード・マシスン。そして脚色をアキバが担当！アキバといってもチャラけたアキバ系でなく「ビューティフル・マインド」「シンデレラマン」「ダ・ヴィンチ・コード」などこれまで硬派で良質な作品を輩出してきたオスカー受賞の名シナリオライター！アキバ・ゴールドマンが担当。なるほど納得！こりゃあ単純明快でお気楽なエンタメムービーじゃあないよね！当然、Ｗスミスが得意とする軽妙な演技は封印！コミカルなシーンなど微塵もない。あくまでストイックな主人公のサバイバルムービーなのだ。一人十字架を背負うＷスミスの焦燥感と、寂寥感が胸を打つ。

人類の将来にあるのは、希望か？絶望か？「伝説」の映画は今、全てのベールを脱ぐ！

◆チャバの独り言。
いやあ、結構まじめな作品でした。もしもアナタが、たったひとりＮＹにいたら？
そりゃ、誰もいないマディソンスクエアガーデンで、フォークギターをかきならし、ロックフェラーセンターで一人アイススケートに興じ、もちろん全身ティファニーのアクセサリーを身につける！？誰もいないＮＹを想像しながらふとそんな事を考えない？？


text by...  茶柱達蔵

2007/12/21