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特集!まちを楽しむ

「池袋モンパルナス」をめぐる春の散歩道

2008/08/27

2006/03/02

3月16日(木)~28日(火)
「新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館」開催

日本を代表するアートの巨匠たちが暮らした池袋近辺のアトリエ村。今月はアトリエ村跡をめぐる散歩道をご紹介。3月16日(木)~28日(火)まで池袋周辺の40会場で「新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館」を開催!
大正末期から昭和20年代にかけて、池袋近辺に若い芸術家を対象とした安価なアトリエ付き借家があった。これらの集落は、「すずめが丘アトリエ村」(要町 1丁目)、「つつじが丘アトリエ村」(千早2丁目)、「さくらが丘パルテノン」(長崎2丁目)と名付けられ、当時100軒以上の貸アトリエが軒を連ねていたという。この一帯に、熊谷守一、吉井忠、峯孝、寺田政明など日本を代表する芸術の巨匠たちが住み、昼夜作品づくりに励んでいた。いつしかここは、パリの芸術地区、モンパルナスにちなみ「池袋モンパルナス」と呼ばれるようになり、多くの芸術家たちが青春の日々を謳歌していたようだ。いまではすっかり姿を消してしまったアトリエ村だが、確かに芸術家たちが足跡を残したこのエリア。彼らの情熱に思いを馳せて散策してみよう。

アトリエ村や芸術村の暮らしがよくわかるスポット

アトリエ村資料室
「歩いて訪ねるアトリエ村講座」を開催
「池袋モンパルナス」関連の資料はもちろん、アトリエ村で過ごした芸術家の業績やエピソードなどがわかる「歩いて訪ねるアトリエ村講座」(日時問い合わせ)も開催。

所在地:千早2-29-3
電話:3954-0719
開館日:土・日曜日の11:00~17:00のみ開館(ただし、回遊展開催中は無休 10:00~17:00)
料金:無料
豊島区立郷土資料館
リアルな「アトリエ村」模型を展示
2004年4月にオープンした彫刻家・峯孝の展示館。実際に制作に使っていたアトリエを公開し、ブロンズ、石膏、テラコッタなど約700点の彫刻が展示されている。試作や原型を含む貴重な作品群が一挙に見られるのはここだけ。

所在地:千早2-30-17
電話:3957-4951
開館日:日曜・月曜の11:00~16:00のみ開館
料金:無料
峯孝作品展示館
日本を代表する彫刻家・峯孝の展示館
館内には、アトリエ村の模型をはじめ、芸術家たちの暮らしぶりがわかる資料が充実。3月16日~5月14日まで特別展「『池袋モンパルナス』を生きた人々」を開催。

所在地:西池袋2-37-4
電話:3980-2351
会館時間:9:00~16:30
料金:無料
休み:月曜日
若き日の芸術家たちが過ごした「池袋モンパルナス」。それでは1938年にタイムスリップして村の様子を覗いてみよう。
池袋駅近くにあった映画館「池袋キネマ」や、美人女給が評判の「喫茶セルパン」は、モンパルナス住人の憩いの場だった。「下田橋」のたもとには、夜になると何軒か屋台が出たという。住人は池袋からの帰りにここでよく呑んだとか。酔いつぶれる詩人、ケンカする画家など、池袋の夜は毎晩お祭り騒ぎだったそうだ。

アトリエ村で暮らした人々

春日部たすく
Tasuku Kasukabe
1903年福島県生まれ。宮沢賢治童話集(岩波書店)の挿し絵などを手がける。「銀河鉄道の夜」の星空に汽車が走っていくシーンは有名。
佐田勝
Katsu Sata
1914年長崎生まれ。福沢一郎のアトリエに出入りし、独立展に出品。1936年「さくらが丘パルテノン」に入居。ガラス絵でも知られ、1951年に日本ガラス絵協会を創立。
井上長三郎
Chozaburo Inoue
1906年神戸市生まれ、少年時代を大連で過ごす。靉光、鶴岡政男らと親交を結び、1930年協会展で奨励賞を受賞。1942年「さくらが丘パルテノン」に入居。
〈そのほか代表的なモンパルナスの芸術家〉
小熊秀雄(詩人)・長谷川利行(画家)・靉光(画家)・丸木俊(画家)・丸木位里(画家)・野見山暁治(画家)・松本竣介(画家)・寺田政明(画家)ほか

アトリエの外観

「峯孝作品展示館」改造前のアトリエ

※峯孝作品展示室より提供

「豊島区立郷土資料館」では画家たちの仕事風景も紹介

池袋近辺の戦災を描いた画家・吉井忠による「戦災スケッチ」

吉井忠が描いた「戦災スケッチ」の“絵はがき”。凄まじい光景が浮かび上がってくる。

展示会情報

東武百貨店 池袋店 (新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館) 吉井忠展/熊谷守一書・画展

会場/6F1番地 美術画廊・美術画廊特別室

吉井忠と熊谷守一の作品を中心に展示

池袋西口ゆかりの芸術家である吉井忠の油彩画27点と、熊谷守一の書と水墨画など計16点を「6階美術画廊」にて展示。また作品のみならず、作家の愛用した画材や装身具なども公開、人物像にも迫る。

3/16(木)~29(水)
西池袋1-1-25
3981-2211(代)
10:00~20:00(最終日は16:30閉場)
無料
吉井忠プロフィール
1908年福島県生まれ。1992年福島県立美術館にて「吉井忠展」を開催。安井賞展選考委員。椎名町付近にアトリエを構える。大正から平成までの激動の時代を通し、人々の営みを暖かいまなざしで描き続けた作家。
熊谷守一プロフィール
1880年岐阜県生まれ。東京美術学校西洋画家卒業。二科会員。二紀会創設。豊島区千早に在住し現在は熊谷守一美術館になる。油彩画だけでなく、多くの書や墨絵も残し、高い評価を得ている。

立教大学 熊谷榧・吉井爽子展

会場/立教大学11号館エントランスロビー・太刀川記念館

池袋モンパルナスを伝える画家たちの展覧会

巨匠、熊谷守一と吉井忠、それぞれの娘で画家として活躍している熊谷榧・吉井爽子の作品展。熊谷榧作の水彩スケッチ画や、吉井爽子作の油絵など、やさしくあたたかさに包まれた作品の数々に出会える。

西池袋3-34-1
3985-2201
10:00~16:30
無料
吉井爽子プロフィール
行動展、個展などで作品を発表。行動美術協会会員。石井桃子作『幼ものがたり』(福音館書店)などの挿絵を描く。
熊谷榧プロフィール
熊谷守一の次女で、熊谷守一美術館館主。油絵を描きはじめ、「山・雪・人」のテーマで、毎年各地で個展を開き120回を超える。日本美術会会員、日本山岳画協会会員。

熊谷守一美術館 1F 熊谷守一油絵作品 2F 熊谷守一墨絵・書作品 3Fギャラリー榧 熊谷榧油絵展「山と祭り」

巨匠の自宅跡で鑑賞する作品の数々

熊谷守一が住んだ自宅跡に建てられた「熊谷守一美術館」。97歳で死去するまでの40数年を池袋で暮らし、1000点を超える作品を残した。1F・2Fの常設展示室には、熊谷守一の作品を約70点展示。3Fギャラリー榧では、熊谷守一の次女で、美術館館主・熊谷榧の油絵展を開催する。

千早2-27-6
3957-3779
10:30~17:30
月曜日定休
一般500円、学生300円、小学生100円

ギャラリーいがらし 池袋モンパルナス展IV

春日部たすくや井上長三郎などの作品が集結

もとは絵の具やさんで、アトリエ村に住む画家たちに絵の具を販売していた。そのため、ご主人の五十嵐さんは画家たちと交流が深く、彼らの仕事振りを紹介しようと、10年前に同ギャラリーをオープン。月1回、池袋モンパルナスの画家を中心に、作品展を開催している。会期中は、久保一雄、春日部たすく、井上長三郎などの作品を展示する。

長崎1-8-13
3973-7480
11:00~18:00
会期中無休
(1926年に起きた共同印刷争議がモデルの映画『太陽のない街』のセットを描いた作品)

この情報の出典 「まるごと池袋マガジン 池袋15’」