特集!まちを楽しむ
その1 歴史、文化が薫る“雑司が谷”散歩を楽しもう!
副都心線「雑司が谷」駅を下車。街に点在する名所・旧跡を散策
豊島区の名所の一つ、明治通りと目白通りを交差する「千登世橋」。都内でも珍しいこの立体交差の橋の北側に、東京メトロ副都心線「雑司が谷」駅が誕生した。同駅は、都電荒川線鬼子母神前駅
直下にあたり、出入口には、鬼子母神前駅近くと、目白通りに繋がる所、「千登世橋教育文化センター(雑司が谷地域文化創造館)」の地下と直結した計3カ所を設置。通勤・通学に欠かせない足になるのはもちろん、雑司が谷エリアの人の流れも一段と活発になりそうだ。
今回は、「雑司が谷」駅を下車して、駅周辺に点在する名所・旧跡をご案内。まずは区内最大の伝統行事「御会式」が開かれる「雑司ヶ谷鬼子母神」を訪ねてみよう。
雑司ヶ谷鬼子母神
境内のイチョウは都内では麻布善福寺、大国魂神社のイチョウに次ぐ3番目の幹周りという
雑司が谷3-15-20 (MAP A)
雑司が谷駅から徒歩3分
子授け、子育ての神様である子母神をお祀りするお堂。都有形文化財指定の本堂は、寛文4年(1664年)の頃のもので、豊島区内最古の建造物だ。境内にある樹齢600年以上の大公孫樹(おおいちょう)は、「子授け銀杏」といわれ、幹周り8メートル、樹高30メートルの巨樹。
三大副都心を縦断して走る便利で快適な副都心線
クリーンで快適な「雑司が谷」駅。 新しい駅ならではの“ゆったり”とした雰囲気が魅力
池袋駅のとなりに位置する雑司が谷駅。直通で新宿・渋谷を結び、まさに池袋を含めた“三大副都心”を縦断して走る。雑司が谷駅から渋谷駅間の料金が片道190円、この区間の所要時間は各駅停車で13分となる。
「千登世橋教育文化センター(雑司が谷地域文化創造館)」が
(MAP B)
生涯学習や文化活動に気軽に利用できる「雑司が谷地域文化創造館」。3・4Fには体育館や温水プールも。雑司が谷駅出入口と直結し、さらに便利に!
電話:3590-1253
緑多い景色を眺めながらタイムスリップ
閑静な住宅街のなかに現れる雑司が谷の“歴史”スポット
江戸の面影を残す名所・旧跡が池袋で一番多いといわれる「雑司が谷」エリア。くねくねとした細い道が多い雑司が谷だが、これは昭和7年に暗渠となった“弦巻川”の川筋の名残りだとか。
街の風情を感じながら、「大鳥神社」「雑司ヶ谷霊園」「豊島区立雑司が谷旧宣教師館」へ。
豊かな自然に包まれた安らぎのスポットで、雑司が谷の歴史・文化に触れてみよう。
大鳥神社
緑に囲まれた境内。癒しのひとときを
雑司が谷3-20-14 (MAP C)
雑司が谷駅から徒歩3分
正徳2年(1712)、鷺明神の名で祀られたのが大鳥神社のはじまり。雑司が谷、南池袋などの氏神様として親しまれ、厄病除けの神として尊崇されている。江戸時代から続いている11月の酉(とり)の日に、「酉の市」を開催。飾り物の熊の手が縁起ものとして販売され、露店やお囃子、民謡、舞踊などの催しが行われる。
雑司ケ谷霊園
「御鷹部屋の松」。江戸時代には霊園北側部分に、将軍が狩りの時に使う鷹の飼育場所「御鷹部屋」があった
南池袋4-25 (MAP D)
雑司が谷駅から徒歩10分
開設は明治5年(1872)。霊園になる前は「御鷹部屋」があった場所で、その南側一帯には、雑司ヶ谷村の農家が点在していた。墓域の間に並んだ大きな樹木は、22軒の農家の屋敷林や庭木だったという。
霊園には、夏目漱石をはじめ小泉八雲、竹久夢二、永井荷風、ラファエル・ケーベルといった著名人が多く眠る。
豊島区立雑司が谷旧宣教師館
庭にはベンチがあり、四季折々の草花に出会えるのも魅力
雑司が谷1-25-5 (MAP E)
雑司が谷駅から徒歩10分
明治40年にアメリカ人宣教師のマッケーレブが居宅として建てたもので、区内に現存する最古の近代木造洋風建築。昨年築100年を迎え、その記念としてマッケーレブが愛用したベッドが、2F書斎に里帰りした。建物は都の有形文化財で、細部にカーペンターゴシック様式のデザインが施されている。
開館時間 9:00~16:30
休 館 日 月曜日、第3日曜日、祝日の翌日
入 館 料 無料
問い合わせ: 3985-4081
雑司が谷で見つけたフクロウモニュメント
オリナスふくろうの杜
雑司が谷小学校跡地に建てられた複合施設。
入り口付近の“みみずく”がお出迎え。
雑司が谷みみずく公園
鬼子母神のとなりにある、区民の憩いの場。入り口の“みみずく像”が目印。
鬼子母神境内
境内には「みみずく」のベンチが あり、その横にもかわいらしい 「みみずく」の姿が。参拝帰りの ひと休みに、ベンチに座って のんびり気分を味わおう。
法明寺 参道脇
法明寺の参道脇にも、個性あふれる“みみずく”マークを 発見。
散歩の途中に立ち寄りたい“くつろぎ”の空間
雑司が谷で“芸術”に触れる心安らぐ癒しのスポット
雑司ケ谷音楽堂
雑司が谷2-17-12 (MAP F)
雑司が谷駅から徒歩15分
雑司が谷駅から徒歩約5分の閑静な住宅街に佇む小さな音楽サロン。コンサートは「クラシック」のみで、総面積70、天井高5.5mの音響空間が魅力。ステージがないため、演奏者との距離が近く、贅沢に音楽に酔いしれることができる。クラシック好きな人はもちろん、初心者でも気軽に鑑賞できるアットホームな雰囲気がうれしい。
コンサートは予約が必要 予約TEL:5960-4515
ホームページ:
http://www.zoshigayaongakudo.com まるで教会のような落ち着いた雰囲気のホール
2階席もある客席。コンサートによっては、ワインやティーサービスが付いたものもあり、演奏者と直接触れあえる機会も多い
切手の博物館
目白1-4-23 (MAP G)
雑司が谷駅から徒歩15分
30万種の世界各国の切手を所蔵する博物館。7月5日からは、世界の国々の伝統文化を800点余りの切手で紹介する「切手珍国博覧会」を開催。下の切手は、南太平洋の島国、バヌアツ共和国の伝統儀式をテーマに発行した切手。そこにはやぐらの頂上から足に蔦をつけて飛び降り、勇気ある成年男子であることを示す奇習が描かれている。この切手から近年、スリルを味わうアトラクションとして人気の「バンジージャンプ」のルーツが、バヌアツの伝統儀式であると知ることができる。切手を通して世界各国の独特な文化に触れてみてはいかが。
バヌアツ共和国の伝統儀式をテーマに、2003年に発行した切手
雑司が谷駅からも徒歩圏内の「切手の博物館」。散策の途中に立ち寄りたい
◇ 特別展「切手珍国博覧会展」 ◇
会期 7月5日(土)~9月28日(日)※月曜休館
開館時間 10:30~17:00
会場 切手の博物館1F展示室
入場料金 大人200円、小中学生100円 ※毎月23日「ふみの日」無料
問い合わせ 5951-3331
この情報の出典 「まるごと池袋マガジン 池袋15’」