我がまちの建築探訪
まいぷれスタッフが東村山が誇る酒蔵 「豊島屋酒造」の魅力をレポート!
この記事は、合同会社フォレストエイトの提供でお届けいたします。
最近は、ワインバーなどが人気を集めているが、逆に欧米では日本酒の人気が高まり、輸出高も年々増加し、20年前に比べるとなんと約3倍!になっています。
世界のバッカスの弟子たちは、美味しい日本酒の味を理解しているのでしょうね。
日本酒の美味しさについては「今更」といわれそうです。
新年から年の瀬まで、或いは人生の節々に笑顔や幸せを、慶弔や行事に、と日本酒は大事な「繋がり」の役目を果たしています。もともと神様のために献上していたのがお酒。
それを頂く以上は、楽しく、美味しく頂戴したいですね。
日本酒の銘柄数は全国で一万以上があり、その中から自分の味を見つけるのは至難の業。「利き酒」などのイベントもありますが、最もわかりやすく失敗しない選び方が「地元の酒」だともいわれています。これが地酒と呼ばれていますね。自分の好みを知ることが大切です。
それもそのはず、酒造りに必要なのは水・米、麹・酵母(微生物)、そして人の手。
この4拍子が揃って初めて美味しいお酒が完成ですが、米つくりから始めるわけにはいかないので、米と水の相性を見極め、長年培われた技術で醸される日本酒が全国、世界で人気となる「日本の地酒」なのです。
というわけで、今回は東村山が誇る醸造元、豊島屋酒造株式会社を訪れ、お酒の知識と建築の知恵を一度に貰うという欲張りな時を過ごしてきました!
豊島屋酒造の代表作ともいえる「屋守(おくのかみ)」
豊島屋酒造には広いサロンが設けられ、寛いで日本酒を味わうことができます。
ふらりと出かけて一杯飲んで帰るのも一興ですが、千鳥足で帰る・・・のはやめましょう。お酒は飲むもの、飲まれてはただの酔っ払いになってしまいますね(笑)
壮観! 勢揃いした屋守シリーズ。
右から新春、そして段階的に季節により味も変わっていきます。
透明な瓶は生酒(透明瓶、緑瓶、青瓶)。冷蔵庫に保存厳守。
不透明な瓶は、茶瓶は常温でも可能ですが、1回瓶火入れの為冷蔵庫に入れておくとよいといわれます。
一度全部並べて、「くいっ!」と端から味わってみたいですね~~
入口を入ると、広いサロンと思わず目が泳いでしまいそうなぐらいたくさんの日本酒が大集合しています。
さて、ここからが本番、醸造所の内部です。
築100年近い!
醸造所というと、どうしても蔵造の良く見る写真を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
当初は豊島屋も蔵の中で行っており、今もしっかりと蔵は残っています。
が、ここからが蔵を売り物にしない豊島屋酒造の真骨頂!
以下の写真を存分に堪能し、読み終えたら、酒屋さんに走りましょうね(^^♪
すっきりと現代的なサロンから一転してヒンヤリとした醸造所の内部。
写真は蔵部分です。そして本来の蔵部分の周囲を取り囲むように新しく木造の建物を増築してあります。
土蔵の漆喰は水分や乾燥などからの影響を護る日本建築の真髄ともいえる材料で、コンクリートの強度も及ばない強い建材。
この蔵を取り巻くような木造部分も新しいといっても70年は経っています!
本陣の蔵を護る大名陣のようなイメージを感じました。
もともとの漆喰造りの蔵近くにある井戸と階段、歴史を感じますね。
現在、井戸は使われていませんが、いざというときにはちゃんと使えるようになっているとのこと。階段部分の掘られた文字にも注目です。
大屋根を支えているのは、太い松の梁。
更に注目してほしいのが梁と屋根を繋ぐ三角の柱。
大屋根の瓦も昔は重くて地震時などに落下すると事故になる、そのために三角の柱は(トラス工法)ねじれに強いので地震にも強い。屋根も建物も補強できるそうで、昔の棟梁の知恵と工夫は凄かったなぁと、ひたすら感動する空間でした!
大きな樽が発酵するのを待っています。樽は全部で200基以上あるとのこと。そのうち稼働しているのは1/3前後といいます。
昔は木の樽ですが、現代の樽の内部はホウロウだそうです。
一仕事終わった樽は、内部を特別なタワシで洗うそうですが、その時に気を付けないと内部に残った一酸化炭素中毒になるという事故もあるとのことで、本当に慎重な作業を必要とするのがお酒造りだと知った時間です。
大きな樽から生まれたお酒は最後に青い機械にかけられて完成します。
この絞りの部分で、「荒走り」、「中取り」、「責め」という搾る圧力により3種類の味の違いができるそうです。
おー、なるほどのお酒造り!!
お酒は、コメ洗い、水を含ませるという土台に加え、三つの要素が必要だといわれます。
1.麹 酵母のエネルギーを作る 生まれたての赤ちゃん状態
2.もと お酒の個性を作る ちびっ子時代
3.タンクでの糖化と発酵 人の手で少しだけ手助け 青春期
10代はお米が溶け切っていないでしぼらない。20代のお米が溶け切って一番美しい(美味しい)ところで絞ってこその「美酒」となる!
日本酒の魅力、奥も深いし味も深い! もっともっと味わいたいですね。
酒は日本酒、地酒は日本の宝です。
■お問い合わせは豊島屋酒造株式会社 042-391-0601まで
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
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